佐用町昆虫館の展示:千種川生きものライブ/三河の自然 昔語り

下流・中流・上流に見られる生きものの生体のほか、千種川圏域清流づくり委員会の活動、オオサンショウウオを守る会の活動を紹介。昆虫館のある三河地域(旧三河村)での昔の遊びや物語を紹介。内海功一前館長のコレクションも。
内容は少しずつ変わります(特に生きもの)。

テーマ
解説
清流千種川の魚類 上流から下流 千種川は「日本名水百選」に選ばれている清流です。県西部の中国山地にある宍粟市千種町、標高千mを越える江浪峠を源流とし、佐用、上郡町、赤穂市をへて瀬戸内海にそそぐ2級河川です。アユ釣りがさかんですが、近年その数も減り心配されています。それでも70種近くの魚やオオサンショウウオもいます。
(横山 正・横山慎二)
上流の魚類 夏でも水温が20度を下回るため、タカハヤをはじめカワヨシノボリの姿が多く見られます。自然度が高い地域では、アマゴに加え、幻の魚になったアカザ、カジカやイワナ(太平洋側に流れる河川でイワナが生息するのは千種川だけ)が生息しています。
中・下流の魚類 川が蛇行することで瀬と淵が繰り返される河川形態が見られる中流部では、多くの魚類が生息しています。瀬にはオイカワやアユ、カワヨシノボリが多く見られ、瀬と淵の境ではカワムツやギギ、そして淵にはナマズやコイがぎょろりと目を開いて泳いでいます。特に、イシガイやドブガイなどの二枚貝の中に産卵するタナゴ類が生息しているのも、千種川の自然が豊かな証拠です。
スッポン 水質の良い千種川ではスッポンが多く見られますが、神経質なため、人の姿を見つけると一瞬にして川底にもぐってしまいます。早朝の川では、はなさきだけを水面にだして水面にうかんで眠っている姿を見かけます。イシガメやクサガメと違い、甲羅が柔らかいのと、鼻先が細く飛び出ているのが特徴です。
ゲンゴロウタダゲン ゲンゴロウ 佐用町のため池や田んぼには、今や希少種となったゲンゴロウ、タガメなどの、大型水生昆虫がすんでいます。
ゲンゴロウは、この名前が示すように、昔は田んぼにごくふつうに見られました。現在、兵庫県内では、丹波、但馬、西播磨に細々と生きているだけです。絶滅が心配。
春に産卵し、夏にかけて幼虫が育ちます。幼虫は超凶暴。生きた魚やオタマジャクシを食べ、かまれると手が血まみれになります。
成虫は、主に、死んだり弱った生きものを食べています。成虫になってから2年以上生きることもあります。
(安岡拓郎・山下大輔)
千種川圏域清流づくり委員会

活動の紹介
(横山 正)

佐用川のオオサンショウウオ 佐用川のオオサンショウウオを守る会の活動
(野村智徳)
三河の自然 昔語り 吉田昇氏、淡路一雄氏による、三河集落の昔の遊び、昔のようす、チチコ釣りに使った昔の釣り竿。ヤママユガの幼虫からテグスをつくった話は興味深い。
(三木 進)
テグス蚕のなかま チチコ釣り用のテグスをとったのは、ヤママユガの幼虫と思われる。そのなかまの幼虫、マユと成虫。
(三木 進)