NPO法人こどもとむしの会

設立趣旨書定款


NPO法人こどもとむしの会 設立趣旨書

1.設立の趣旨

昆虫は、地球上で最も多様で、繁栄した生物と言われている。体が小さく、変温動物であるという特徴から、微細な環境や、その土地の気候に細かく適応し、多くの種に分かれ、ごく身近なところにも、驚くほど多様な昆虫が、多様な生活を見せてくれる。螢や赤とんぼ、秋の鳴く虫は、水田農耕とシンクロナイズした生活環、農耕により適度に人の手の入った環境に繁栄し、古来より人々に愛され、日本人の情緒世界を豊かにし、季節感、自然観を語るに欠かせない生物となっている。また、小型であること、身近に見られること、多様な動きのあることから、昆虫は、幼年期から少年期の子どもたちの自然への関心を育み、昔も今も、身近な遊び相手、観察対象として重要な存在となっている。子どもたちは、身近な昆虫とたわむれる中で、感性を磨き、自ら発見する喜びを知り、いのちと自然に対するものの見方を養ってきた。
わが国は、高度成長期を経て、経済的、物質的には豊かになったが、その一方で、都市化、モータリゼーションの発達によって、人々と昆虫との間の物理的、心理的距離は拡大し、心の中の季節感も失われてきた。このような社会変化の中で、子どもたちは、かつてあたりまえであった自然の中で実物に触れる機会を失い、自然や命の価値が理解できなくなってきている。青少年の全般的な理科離れや、基礎学力ランキングの世界順位の低下をも招いている。
そのような中、佐用町船越山の麓にある兵庫県昆虫館が、平成20年3月をもって閉館となった。昆虫館は、多様な動植物の宝庫にあり、ほんものの生きた昆虫に触れ、昆虫の不思議さ、楽しさを感じることができる、全国的にもユニークな施設として、三十七年間、大きな役割を果たしてきた。
昆虫館のまわりには、ガロアムシという原始的な昆虫がおり、ヒメボタルも生息している。佐用町には全国的にもまれな個体群密度でタガメが分布し、ヒロオビミドリシジミやクマタカ、アカショウビン、オオサンショウウオも生息している。これらについては、個々に保護対策が取られればよいというものではない。希少生物の保護には、多くの関係者が主体的に努力して、システムとして総合的に取り組んでいく必要がある。種の多様性の保護は、日本の国際的な責務であり、新たな昆虫館は、これらの努力の拠点となる。
また、これらの生物は佐用町の振興にとっても重要な観光資源であろう。エコツーリズムの観点からも、昆虫館が果たす役割は大きい。天文台、猿園、瑠璃寺、タガメ、農村舞台、棚田とともに佐用町の誇る有機的な一連の観光資源である。我々は昆虫館の活動を通じて、地域振興に資する努力を行う。
昆虫館は、理科教育と子どもの探究心を育む活動の核となり、地域振興の核となる。新しい環境の時代、共生の時代に必要とされているのは、まさにこのような施設である。我々は、自らの手で地域とむすび、昆虫館がこれまで果たしてきた役割を継承し、発展させるために、そしてなによりその目標のために働く若い次世代を育てるために、ここに、この法人を設立する。

2.経緯

平成19年12月 設立発起人代表が、法人設立の計画を策定
平成20年1月27日 第1回設立準備会開催(神戸大学農学部)
平成20年4月25日 第2回設立準備会開催(神戸大学農学部)
平成20年5月10日 設立総会を開催(兵庫県佐用町三河ふれあいセンター)

NPO法人こどもとむしの会
神戸市北区***丁目**番**号
設立発起人 代表 竹田真木生




NPO法人こどもとむしの会 定款

 

第1章 総則


(名称)
第1条 この法人は、NPO法人こどもとむしの会という。
(事務所)
第2条 この法人は、主たる事務所を、兵庫県佐用郡佐用町船越617番地に置く。

第2章 目的及び事業


(目的)

第3条 この法人は、兵庫県佐用郡佐用町船越にある昆虫館を活動拠点のひとつとし、広く市民に対して子どもと虫に関連する普及啓発事業を行うとともに、地域の自然環境に関する調査研究を行い、人々の環境学習の促進、生物多様性の保全、地域の振興に寄与することを目的とする。
(特定非営利活動の種類)
第4条 この法人は、前条の目的を達成するため、次に掲げる種類の特定非営利活動を行う。
(1)子どもの健全育成を図る活動
(2)環境の保全を図る活動
(3)社会教育の推進を図る活動
(4)まちづくりの推進を図る活動
(事業)
第5条 この法人は、第3条の目的を達成するため、特定非営利活動に係わる次の事業を行う。
(1)子どもと虫に関連する普及啓発事業
(2)地域の自然環境とまちづくりに関連する調査研究事業
(3)昆虫館等の運営支援事業

以下省略。

→ 現行定款の全文はこちら(PDFファイルが開きます)