第2回 昆虫調査員研修会(5月29日)

 2回目の研修会が実施されました。第2回目の目標は、1回目に採集して、展翅、展脚した標本の同定と、ラベル付けです。これをやらないと、「昆虫標本」のねうちがありません。このブログを読んでいるみなさんも、標本を作ったら、必ずラベルをつけてくださいね。標本を作らない人は、自分の『昆虫ノート』に、今日見た虫の記録をしておくと、立派な研究になります。

 今回も、場所は兵庫県立国見の森公園。朝9時20分のモノレールに乗り込んで、山上の研修棟を目指します。子どもたちは、モノレールの先頭が大好き。なんだかワクワクしていると・・・、何と! 目の前の窓ガラスに、アカシジミがとまっているではありませんか! カメラを持っている子は、さっそく撮影。「着くまで飛ぶなよ」と、アカシジミに言い聞かせます。

モノレールに乗りこんで いざ出発
飛ぶなよアカシジミ 飛ぶなよ 絶対飛ぶなよ!

 山上駅に到着すると、網を持った子たちがアカシジミに殺到。ゲットした子は、大喜びです。

 さて、ここから研修の始まり。まずはそおっと展翅や展脚を外します。そして図鑑を開いて、名前調べ。甲虫の中には、ちょっと難しいものもいたようですが、スタッフと一緒に調べて、どうやら全部の名前がわかったようです。

2週間たって 展翅・展脚のできあがり
さあこれからまち針を外します
そおっと そおっと
ツマグロヒョウモンのめすだよね
図鑑を見るのも楽しいね

 ここで昆虫標本につけるラベルの書き方を、書いておきましょう。

 実は、標本につけるラベルでいちばん大事なのは、虫の名前ではありません。こう書くとびっくりする人もいると思いますが、昆虫、特にちいさな昆虫では、図鑑を見ただけでは、なかなか名前が決まらないものもたくさんあります。専門家でもはっきりわからないものもあります。ですから、虫の名前がわからないときは、無理に書かなくてもよいのです。

 一番大事なのは、「どこで、いつ、だれが」その虫を採ったかということです。これがきちんとラベルに書いてあれば、標本としてねうちがあるんです。

 ラベルをつけて、標本箱におさめたら、立派な標本のできあがり。みんなちょっと自慢げです。

 標本づくりが終わると、子どもたちは暑い中を、また、採集にかけ出してゆきました。今日は絶好の天気。山頂の展望台には、次々にアゲハチョウの仲間がやってきます。ほかには、ウバタマムシやアオマダラタマムシ、小型のカミキリムシなどもいました。

よし行くぞ!!
川だって探します
山頂は今日は青空 アゲハもたくさん飛びました

 ワタシも久しぶりに、少しだけ本気で網をふりましたぞ。

 お父さん、お母さんたちの中には、子どもたち以上にいっしょうけんめい、次の標本を作る人もいて、みんな楽しい1日を過ごせたようです。

 研修会の終わりには、みんなで輪になってお話しタイム。いろんな質問や、好きな虫談議、スタッフからは、昆虫採集に行ってやばかったこと、失敗したことなどなどの裏話もあって、子どもたちもびっくりするやら、感心するやらでした。

いろいろな話ができましたよ

 名残惜しいけれど、今回の研修会はこれでおしまいです。でもの昆虫調査員研修は、来年もやると思います。もしかすると「中級編」「上級編」とステップアップしてゆくかもしれません。スタッフ一同、これからもみなさんのために頑張ります。皆さんが、昆虫調査員として大活躍してくれることを、期待していますよ!(^^)!