ウスバツバメ、最盛期です!!【MMニュースNo.9】

ウスバツバメ(ガ)は、年1回、秋に成虫が現れる、とても優雅な蛾です。

なんてったって、西日本にしかおりません。さわやかな秋晴れのもと、ふわふわと舞うこの蛾に出会ったら、「ほんま、関西人でよかったわ〜」と、喜びを噛みしめてしまいます。

これは、サクラの幹にとまっているメス。産卵に来たのかも。
展翅すると、こうなります。オスです。アンテナが羽毛状です。

大きさは、モンシロチョウより一回り大きいです。翅(はね)は半透明で、ウスバシロチョウのようです。前翅の付け根が黄色くなっているのと、後翅が細長く後方に突き出ているのが特徴です。「つばめ」の名があるのは、後翅の形状によるものですね。

ウスバツバメは、いつ頃、どんなところに?

お彼岸をすぎた頃

例年、9月下旬から10月上旬が、最盛期になります。ススキの穂が出て、ヒガンバナが咲いて、朝晩が涼しくなって、秋やなあ〜と実感する頃です。

昼間に活動し、晴れた日の朝、とくによく飛びます。

同じ仲間のホタルガは夕方によく飛び、夜にライトに飛んで来ますが、ウスバツバメは、ライトにはほとんど来ません。

ちょうちょをつかまえるように、昼間、ネットでつかまえます。

出現期はとても短いです。今年こそたくさんつかまえよう、と毎年思っているのですが、気がついたらシーズンが終わっています。

花には来ません。たぶん、何も食べないです。

サクラが大好き

みつけるポイントは、ずばり、「サクラの木」です。

幼虫は、サクラの葉を食べ、成虫もサクラの木の周りをよく飛んでいます。

サクラにもいろんな種類がありますが、学校や保育園、公園などに、よく植えてある、ソメイヨシノにやってきます。

なので、「日本全国、ウスバツバメだらけ」になってもおかしくないのですが、ふしぎなことに、いつまでたっても、関西ローカルなのです。なんでやねん。

みなさんからの情報、続々と

さて、9月になって、続々と、ウスバツバメの情報提供があります。

トップバッターは、9月10日、宍粟市からの情報でした。これは、早いですね。

2021/09/10(宍粟市 発見者:柴原さん/情報提供 林幸一郎さん)

家の網戸についていたそうです。

そのつぎは、お彼岸の頃です。

2021/9/23(丹波篠山市 吉田現さん)

ひらひら飛んでいたのでモンシロチョウかと思ったらウスバツバメガでした。高いところを飛んでいたので捕まえられませんでしたが、梅の木にもう1匹とまっていたので写真を撮りました。

吉田 現さん
2021/9/28、9/30(三田市 島岡優さん)

ヒラヒラ飛んでいたそうですよ。

これは、今朝の情報。

2021/10/1(高砂市 三村剣義さん)

朝、通学路の神社にたくさん飛んでいた。
友達と夢中になってとっていたら学校遅刻した。

三村剣義さん

とてもステキな情報、ありがとうございました!

ウスバツバメの発生数は年によって、場所によって、多寡があります。当たれば群飛です。

たとえば、この記事

ウスバツバメ狩り。・・・幼虫が沸きに沸いて、ソメイヨシノの葉が見るも無残に丸坊主になってしまった西宮市の某公園を訪れました。・・・

安達誠文, 2008

佐用町昆虫館にも、現れましたよ。

2021年10月2日 佐用町昆虫館
この個体は、スタッフが、きれいに標本にいたしました。
14時半頃。別の個体が飛んでいました。この子は、バイバイされました。

幼虫も

夏以前に、幼虫の情報もいくつもいただいていました。たとえば、

2021/5/31(姫路市 北詰真奈さん)

桜の木の下に落ちてきていました。
明日害虫駆除が入るのでその前に拾って来れてよかったです。

北詰真奈さん

幼虫を見つけたところには、きっと、飛んでますよ。

みなさん、ぜひ、さがしてみてください。

昆虫館の入り口、瑠璃寺参道のサクラ並木には、幼虫がいました。

昆虫館手前のサクラ並木。昆虫館の開館時刻に、ウスバツバメは飛んでいませんでした。やはり、学校の登校時刻くらいがいいのかな。

みつけたら、情報くださいね。