シロスジコガネの季節は、終わりました。
入れ替わるように、同じ属のヒゲコガネが、シーズンイン。
むしの会の強力な斥候隊が、7月15日、確認いたしました。
大きくて、チューチュー鳴きます
ヒゲコガネは、このあたりでは、カブトムシを除くと、最大のコガネムシです。大型個体は、4cm近くあります。体の表面はあずき色で、上翅にはまだら模様があります。オスのアンテナは大きく発達しています。
シロスジコガネと同様、刺激すると、チューチュー鳴きます。かわいいです。
ヒゲコガネの愛称について
数年前、加古川市役所の人と話をしていると、”ひげぶい”のことですか?、と言ってました。愛称があるくらい、加古川の人には身近な虫なのですね。
シロスジコガネの記事でもご紹介した、高橋寿郎(1980)「ヒゲコガネとシロスジコガネ」の記事には、”イシャブイブイ”という愛称が紹介されています。
なお、播磨地方では、コガネムシのことを「ぶいぶい」と呼びます。
ヒゲコガネのいるところ
高橋寿郎さんの記事による、兵庫県内の産地は、つぎのとおりです。
シロスジコガネの分布が海岸沿いに偏っているのとは異なり、ヒゲコガネの方は内陸の河川沿い、沖積平野です。
三木市の美嚢川は昔から有名な産地で、加古川本流にもいますが、加古川流域のどのへんからどのへんまでいるのかは、よくわかりません。
尼崎の記録は猪名川、出石町神美は出石川または円山川でしょう。
淡路島からは記録がなく、武庫川や千種川流域からは、知られていないようです。なんででしょうね?
ヒゲコガネのみつけかた
ヒゲコガネは、夜行性です。これらの川の河川敷やその近くでの、夜の探索となります。
みつける方法は、二つあります。
夕まづめの、黄昏飛翔
文献では「日没直後に河川敷を群飛する」という報告があります。
だれも見たことがなく、「ほんまかいな」という感じでしたが、2021年7月、むしの会の精鋭調査員により、たしかめることができました。下の動画をご覧ください。
ヤンマ類の黄昏飛翔によく似た時間帯ですね。夕焼けの頃、真っ暗になるまでの間、樹木の周りをブンブン、飛び回っています。
飛んでいるのはすべてオスでした。ユスリカのスウォーミングみたいなもんでしょうか。
街灯めぐり
群飛が見られるのは短時間なので、いろんな場所を調査するのは難しいです。
ヒガコガネは、シロスジコガネと同様、灯火に飛来しますので、広域を調べるには、街灯を巡るのが効率的。
狙いはコンビニや橋の街灯です。町外れの駅もいいかもしれません。神鉄粟生線、JR加古川線、姫新線をめぐるとか。
夜な夜な、懐中電灯を持って落し物を探しているような人がいたら、この記事を見た人かもしれません。「ひげぶいさがしの方ですか?」と声かけして、なかよくなってくださいね!
あ、オオコフキコガネは、ヒゲコガネより一回り小さいのですが、体が大きく地肌の色合いが似ていて、オスのアンテナも大きいので、「きっとこれにちがいない!」と思うかもしれません。
情報提供は、こっちから。
よくわからないときも、とりあえず写真撮って送ってください。