7月26日(日)の昆虫館

7月26日(日)   天気  : 曇りのち雨、 一日館長 :    野村智範

スタッフ :    久保弘幸、岡田浩資、三村寛子(三村ファミリー)

来館者  :   10時~12時  25人     12時~14時  30人   14時~16時  38人  

                          合計 93人

午前中は、ほとんど曇りの時間が多く小雨程度の天気でしだが、午後、昨日のスタッフの皆さんが、中止になったイベントの会場(千種高原スキー場)から帰還された頃には、本格的な豪雨となりました。例年であれば、とっくに梅雨明け宣言が出され、夏の日差しの下、網を振り回して虫を追いかける子供たちの姿がよく似合う季節なのに、と思いながら降り止まない空をながめていました。

スタッフの三村さんが連れてこられたヒキガエルです。
かつて、夏の夜には、我が家の玄関の照明に集まる虫たちを食しに、毎晩訪問してくれていたのに、子どもたちが大人になる頃から姿を見せなくなって久しいです。本日の来館者は、このカエルの印象と共にとともに昆虫館での思い出が蘇ることでしょう。世代によって、「なつかしい」、「初めて見てびっくり」などの違いはあるでしょうが、強烈なインパクトがあったことだけは確かなようです。
毒ヘビ「ヤマカガシ」は、ヒキガエルの毒を食べることで取り入れ、我が毒として獲物を捕らえるのに使うそうです。その毒で人が死ぬこともあるのですが。

以前、昆虫館の庭に現れたヤマカガシの幼蛇。30㎝ほどの可愛らしい姿をしていました。この時期には、おたまじゃくしをえさにしているそうです。そういえば、今の時期、昆虫館の水路や池には、モリアオガエルのおたまじゃくしであふれていますからね。絶好のえさ場なのでしょう。この時は、子どもたちも多く来て池のイモリやおたまじゃくしを捕まえて遊ぶことが多い場所なので、かわいそうですが、天国へ行ってもらいました。
ちなみに、この個体は、図巻にのるくらい典型的な美しくもある模様ですが、黒っぽくて腹の部分が青っぽいもの。全身黒一色でよく見るとまだら模様が浮かび上がってくるものと、昆虫館に現れたことのあるヤマカガシだけでも、非常に変化に富んでいますから、「黒ヘビは大丈夫。」などという間違った迷信は信じないことです。
「ヘビにはさわらない。いたずらしない。」のが一番です。
我が家に届けられたヘビの卵8個。やがてふ化したヘビの赤ちゃんは、全身真っ黒でわずかに首のまわりうっすらと白っぽい「帯」がありました。全て間違いなくヤマカガシでした。我が家の20アールの水田を一周するだけで最低3頭のヤマカガシに出会えます。それほど水田ではポピュラーなヘビですが、黒いので、近所の年寄りから毒はないなどと教えられ、平気でつかんでは振り回していました。この蛇が毒ヘビだと知れ渡るきっかけは、数十年前に不幸にも噛まれて亡くなった方がいたからです。おとなしいヘビですが、あなどってはいけませんね。
昆虫館に来る「昆虫少年少女」は、暑くても必ず、長そで長ズボン、黒っぽくない帽子、長靴がそれに近い丈夫な靴といういでたちです。昆虫採集には、ヘビ、ハチ、マダニ、ヤマビル、ウルシなどのさまざまな危険があることを知っているからです。

雨の合間をぬってイモリや子ガエル、ナマズたちとのふれあい。

3D写真を赤と青のフィルムを貼った眼鏡で見ると・・・。

記念のスタンプ。

6月28日に、来館者の見守る中、一斉にふ化した60数匹のタガメの1匹が、この日、赤穂海洋科学館へと「出張」して行きました。

モリアオガエルのおたまじゃくしを食べて8月中には成虫になる。
昆虫館の代表として、赤穂での活躍を期待して・・・。
( 一日館長  野村智範 )